海の記憶：おかずの森：So-net blog

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海の記憶　[雑記] [編集]

確かお盆の頃だった。
気仙沼に泳ぎにきたことがある。

太陽は暑いけど、海水は冷たくて、唇が紫色になったものだ。
それでも、海は楽しい。

20数年も前の話だ。

震災後２年経っているのに、ここに建物があったらしい、という区画がわかる程度
で、少し高いところに、仮設住宅がぽつんぽつんとある、荒涼とした風景だ。

がれきが片付いただけで、復興には、まだ手つかずな状態に見える。

奇跡の一本松方向に向かっていく道で、コンビニを探していたら、
目の前に、巨大な打ちあげ船が横たわっていた。

震災のモニュメントとしての保存には、反対する住民が大半だったので、
解体することに決まったようだ。
お盆過ぎから解体準備にかかるということだったので、もう、工事は
始まっているのだろうか。

家族連れが、船の近くで写真を撮るために整列していた。
船を背景にするのかと思ったら、違うようだ。

すぐ横に、地域の人が植えたのだろうか、向日葵が元気に咲いている。
一家は、花をバックに、フレームに収まっているのだった。