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屋久島10(もののけの森その2) [屋久島]

(続き)

白谷小屋です。

 相方 「どうするよ?やまねーかな。これ。」
 私 「森の中で食べたかったね。」
 相 「もののけの森はもう無理だな。」
 私 「うん。食べたら即、下山だね。」

 ryu-appu+.jpg
   いやいや、すでに時遅し、、、だったのです。


エコツアーの人たちはトイレ休憩を済ませて、どんどん出発して
行きます。

 30分と言われたけど、あれからかれこれ一時間は経っています。

残っているのは、横でお弁当を広げていた若い女子三人のグループ。
それから、本格登山風の、ゆっくり山情報の交換している三名のみ。

 この人たちは、コッヘルでカップ麺を作ってすすったり、くつろいでいます。
 たぶん、ここで一泊するのでしょう。

 ちなみに、屋久島の山は、尾根で繋がっており、本格派の人は、
 一度も下山することなく、辻峠、縄文杉にも経由できるのです。

 前日、縄文杉に行った時、朝、向こうから降りてくる人たちが
 いたけど、こういう人たちだったのですね。


さて、私たちもぐずぐずしていられません。

 小屋を後にして、三叉路まで戻ると、とっくに出発したはずの
 ガイド連れの団体と遭遇。

 ガイド「川が増水して、もう通常の道は進めなくなりました。
       下山できる道を案内します。」
 
    、、え??もうそんなことになってたの?


 楠川歩道を下っていく間、山道は水が川のように流れ落ち、途中の
 穏やかだったせせらぎは、濁流が滝となり、刻一刻、変化しています。
 
 すみません。写真なくて、、。
  とても、撮っている場合じゃなかったもので。

   こんなに降るってわかってたら、あの時、カッパにしてたのに、、。
  
         一生の不覚☆


  ちなみに、白谷雲水峡での降水量は年間9000mm近く。
  屋久島測候所での平均降水量の約倍量です。
      、、、倍、、、???
  
  ここのコケが屋久島の中でも、とりわけ美しいのは、
  この雨のおかげだったのです。

     そんな情報は、帰ってきてから知ったんだよ〜☆

   大雨の岩場歩くのに、ポンチョじゃないだろ!!!


 とにかく☆格好は悪いが、てるてる坊主にならないように、
 弁当の輪ゴムとかも利用しつつ、足元の安全は確保しました。

 ゴアテックスの快適なカッパは、レンタカーの中で静かに私の帰るのを
 待っていることでしょう、、、シクシク、、。


途中、引き返してくるもう一つの団体とも合流し、10数人になりました。
ガイドさんたちは 「あと、山に何人いる?」「全員降りた?」などと、
緊迫した雰囲気です。

    すみません。弁当食ってて。

 一つ目の川にたどり着きました。

ガイド2人は、先に川を渡って川の真ん中の岩に陣取り、エコツアーの
皆を渡すために、足元を確保しています。

ガイド 「サポートしますから、手を出してください!」

この川は、30分前まで、ちょろちょろと流れる足首までの1m位の
小川だったところです。

 それが今では、腰まである川幅5m程もある濁流に。

先頭の女性が、手を差し出しながら一歩踏み出した、その瞬間、、。

 「あっ!!!」
  
 dakuryu3.jpg

      流されてる~!


川の流れが急すぎて、転んだらそのまま、立ち上がれません。

 数秒間、川の中で暴れ、首まで浸かってた女性は、ガイドの力強い腕で
 引っ張り上げられました。

     「ひ~~!!」

こんな恐ろしい光景を目の前に見て、すぐ後ろで待ってた私はすっかり
ビビリました。しかし、引き返す場所はない!


  、、腰まで浸かっただけで、なんとか皆無事に渡りました。

その後、皆一言もなく、黙々と歩きました。

 
 平坦で安全な所まで降りてきたので、ガイドさん達は私たちと別れ、
 まだ残っているらしい人たちを探して、山へ戻っていきました。
       、、、ご苦労様です。

   さつき吊り橋の傍までくると、ちょっとほっとした気分、、
   なんていってる場合じゃない!!!

そう、、飛流落としが、何故、「飛流落とし」なのか、、。
この時、わかったんです!!

 yakushimaryu+3335.jpg
  ぐわ~!本当に竜が!!舞い降りてくる~!!

    すげ~、、いえ、すごいわ!!!
    これはもう、同じ川とは思えません☆


ビデオを、、せめて写真でも撮りたかったのですが、この状況で取り出したら
確実に水没状態になる、、ハンパない状況なので、涙をのんであきらめました。


さて、ここまでくると、もうすぐ橋が見えて、バス停のある入り口なのですが。


「ぎゃ~出口そばの橋が!橋の上まで滝になって、川があふれてる!!」


 先に進んでいた連中が、通れなくて、戻ってきました。
  写真を撮ろうとして、入り口の係の人に超怒られていたらしい(笑)。

      キケン☆ですから、やめましょうネ。

  yakushima3312.jpg
  ちなみに、これが雨が降る前の、入り口付近の橋。
 
      、、、この橋、完全に川に浸かっていました、、☆
      どれだけ増水したか、ご理解いただけましたでしょうか、、。

         すみません。写真なくて、、。


しかたなく回り道を使って、ほうほうの体で、駐車場に抜けました。


 とりあえず、下着から靴から、全身ぐっしょりなので、車のリアハッチの陰で
 着替えを済ませます。高機能シャツを着てきたおかげで、不快感はあまり
 感じなかったけど、どれもこれも脱いだ瞬間、絞る間もなく、ボタボタと
 水が滴り落ちます。

水もしたたるいい女ってか?


黒いビニールジャンパーを着たお兄ちゃんも、駐車場にやってきて、
着替えもせず、400ccのアメリカンバイクに乗って、去って行きました。

どうやら、私たちと同じく、エコツアーの参加者じゃなかったようです。
きっとお散歩気分で登ってきたんだろうね。
 
「山をなめちゃダメよ。」(なめてるのは私?)

 
記憶に残る白谷雲水峡ハイキングでした。
 、、って、おい、もののけの森に、行ってないじゃん☆


 いつかまた。
   白谷雲水峡。


  ボランティアのガイドさん達、ご苦労様でした。
  ご迷惑をおかけしました。

  yakushimaryutomiy+3335.jpg
   山から車で降りてきたら、下界は曇り空。
     、、コケの森を見上げたら、霧にかすんでいました。


  屋久島で歩く予定の方は、雨具の準備はお忘れなく。
   しっかりした透湿防水素材のレインスーツをお勧めします。   


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コメント 11

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まみやさん

中国の龍よりもカッコイイですよ~
σ(・_・)としては、こっちの方が好きだ~~
by まみやさん (2009-03-31 18:37) 

yasumi

スゴイ命がけのハイキングですね^^;
竜が舞い降りてくるところを見てみたいけど、
怖いかも…ガイドさん、ハードなお仕事ですね。
by yasumi (2009-03-31 22:45) 

chercher

いやはや、びっくりしました\(◎o◎)/!
大変でしたね~(;_;) 自然は恐ろしいですね~。
ガイドさん、本当に有難いですね。
先日テレビで屋久島を観て、今年こそ行ってみたいな~と
思っていましたが、行く時は雨具を忘れないようにしまーす^^;
by chercher (2009-04-01 10:33) 

てりー

うーん、危ないところで助かったという感じですね。
川は本当に危ないです。転んで助かったとしてもすごく寒い時などは凍えてしまう場合もあります。
by てりー (2009-04-01 10:34) 

すずめ

すごい経験でしたね、ご無事でなにより!
by すずめ (2009-04-01 17:26) 

kaoru

こんにちは。
大変な目に遭われてしまいましたね。
自然は、素晴らしいですが怖くもありますよね。
ご無事だったのが何よりです。
by kaoru (2009-04-02 13:02) 

にこちゃん

激流下り、コワイです・・・やっぱ自然は甘く見ちゃダメなんですね・・
谷川岳なんかの麓でも激流下る、ラフティング時々亡くなるかたが。
それにしても、絵じょうずですねー♡

by にこちゃん (2009-04-03 16:58) 

judyxxx

nice!押し逃げすみませんでした^^;
やはり雨にやられたのですね。
記事と絵をみながらハラハラドキドキしながら
読ませて頂きました。
それにしても短時間の雨でも状況が一変してしまうんですね
私も同じくいつかまた白谷雲水峡リベンジしたいです。
by judyxxx (2009-04-04 16:36) 

ショコラ

どきどきしたー!流されてカメラが水没した訳じゃなくてよかった〜
by ショコラ (2009-04-04 18:58) 

はんちゃん

コ、コワイ!!!
文章読んでるだけでもビビリましたよ。
ほんと、無事で何よりでしたね。
それにしても、絵が素晴らし過ぎる〜〜!
nachicさんっていったい何者!??
by はんちゃん (2009-04-04 21:26) 

nachic

xml_xslさん。
niceありがとうございます!

まみやさん。
カッコいいかい?うひひ。うれしいな。ちょっと手間かかり
ました〜☆

takemoviesさん。
niceありがとうございます!

sanaさん。
niceありがとうございます!

doudesyoさん。
niceありがとうございます!

yasumiさん。
普段、見られないものを見てしまいました☆
ここは、しょっちゅう、こんな風に大雨が降る所なので、
ガイドさんは、慣れているみたいでしたよ。

chercherさん。
ほんと、びっくりしました〜☆こんなに短期間に水量が変わる
とは、ちょっと甘く見ていました。反省☆
雨具は必需ですよ。屋久島は元々雨の多い所ですから、カッパ
はもちろん、防水湿度対策もしておくと、快適なトレッキング
が出来ると思います。

てりーさん。
こんなに短時間で、水が増えると思いもしませんでした。
これだけ降るからこそ、屋久島なんですけど。
ホント、雨具を車に残してきたのは、不覚でした☆

ponchiさん。
niceありがとうございます!

すずめさん。
通常、見られないものを見てしまいましたよ。びっくりです☆

yukitanさん。
niceありがとうございます!

kaoruさん。
山は怖いですね。ホント、びっくりしました。
これだけの雨が降るからこそ、屋久島の景観があるのですね。
ガイドさんは、現地のことをよく知っているので、もっと
はやく下山すべきでした。いい経験になりましたよ。

anandaさん。
niceありがとうございます!

にこちゃん。
そういえば、この支流でも、ラフティングしているエコツアー
の方もいますよ。我々は、川下りをしようとしていたワケでは
ないのですが、激流になってしまい、びっっくりです☆
山ですから、甘く見てるとケガしますね。
写真が撮れなかったので、イラストにしてみました♪

judyxxxさん。
やっぱり、屋久島に雨はつきものですね。
本格派のjudyxxxさんから見ると、ままごと並みなので、
お恥ずかしいです。快適にトレッキングするための道具は
ちゃんと持ってたのに、基本のカッパを置いてくるなんて、
問題外ですね☆ホント、反省です、、。
白谷雲水峡は、苔が一段と美しくて、素晴らしい風景でしたね。
また行ってみたいです。

ショコラさん。
にゃはは〜♪カメラを水没なんて、させにゃいにゃ〜☆
でも、絵を描くと、手間かかる〜☆

はんちゃん。
怖かったですよ〜☆でも、ほかでは出来ない経験をしました。
写真が撮れなかったけど、どうしても記事にしたかったので、
イラストにしてみましたよ〜♪

くらいふさん。
niceありがとうございます!
by nachic (2009-04-10 21:45)